2011/04/11

約束

東日本大震災から1ヶ月。
命について、これからの日本について、多くのことを考えさせられた1ヶ月だった。

桜が咲いた。


1年前の今頃、同じ場所で満開の桜を見上げながら、お腹の中にいるむすめと約束した。
次の桜は一緒に見ようね。と。
約束は無事叶い、暖かな午後、二人で桜を見ることができた。
週末は夫も含め、3人で枝垂れ桜を見た。


むすめを授かるのは実は少し大変だった。
仕事のキャリアとのバランスを考え、子どもを持つタイミングを見計らっていたのだけれど、そうこうしているうちにいい年齢にさしかかっていた。
そしてしばらくして、悲しい出来事がおきた。
病院へ行ったところ、少し体が疲弊している状態であることが分かった。

そこから、鍼灸治療で体の調子を整えながらの生活が始まった。

基礎体温を毎朝計り、祈るような思いで数値を見つめる。
体温ひとつに一喜一憂する日々。苦しかった。経験した人なら分かると思う。
望めば授かると思っていたけれど、そんな甘いものではなく、いかに多くの奇跡の積み重ねによって新しい命が産まれてくるのかを、思い知った。

次々と周囲の人たちは結婚後、当然のように子を産んでいく。
それがどれだけ恵まれていることなのか。もちろん彼らがそれを知る由もない。
そんな彼らの何気ない、けれど心無い一言に傷つくこともあった。
知らないということは、残酷だ。
今さらながらに思い知り、無知であった自らを振り返り、反省した。

けれど、もっと大変な治療をしている人たちも多くいる。
たくさんの時間とお金と精神力を使い。
それに比べれば、私はとても恵まれている。今ならそれがよくわかる。
望む人皆に新しい命が授かり、幸せが訪れることを願ってやまない。


今年の桜は、きっと一生忘れられない。
産まれてきてくれてありがとう。

退院直後のむすめ。出産した晩、涙が止まらなかった。喜びと感動で。   

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